京都観世会6月例会
Monthly Performances (June)

公演日時:2019/06/23(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 通小町       河村晴久
(狂言)粟田口       小笠原匡
(能) 隅田川       浅見真州
(能) 鵜 飼       𠮷田篤史
入場料:
一般前売 ¥6,000
一般当日 ¥6,500
学  生 ¥3,000

演目解説

通小町 かよいこまち
八瀬の山里で夏籠りをする僧の所に、毎日木の実や薪を持参する女がいた。不審に思った僧が名を尋ねると、市原野に住む者であると言って消え失せる。僧は女の言葉の端々から、今の女が小野小町の幽霊であると思い当たり、市原野へと出向く。
僧が供養をしていると、やがて小野小町の霊が現れ、受戒を乞う。すると今度は深草少将の霊が現れ、これを拒もうとする。少将は生前、小町に恋をして「百夜通い」をしたが、ついに思いを果たせず、今も地獄で苦しんでいるのであった。僧の乞うままに少将の霊は「百夜通い」の有様を見せるが、そのうちに小町が諭した「飲酒戒」を守ったことによって、悟りの道に通じ、多くの罪業を消滅させることができた二人は仏道成就を果たす。

隅田川 すみだがわ
旅人が武蔵国・隅田川の渡りに着き、渡守に舟を乞う。その後ろから、これも都よりわが子の行くえを尋ねて下ってきた狂女が着く。狂女は「名にし負はばいざ言問はん都鳥我が思ふ人はありやなしや」という『伊勢物語』の歌をひいて、都鳥にわが子の行くえを問う。渡守はこの心優しい狂女を舟に乗せ、船中で、去年ここであった話をする。昨年の今日、人買いに連れられてきた子が、疲労の末この河岸で息絶えた。その弔いの大念仏に人々が多く集っているという。実は船中の狂女こそ、その母であった。渡守は母を墓所へ案内し、泣き伏す母に弔いを勧める。母の弔いにひかれるように、子の幽霊が現れる。母は子を抱き取ろうと走り寄るが、幻のように消え去る。あとには塚の上の春草に、川風が渡るばかりであった。数多くの物狂物は、男物狂も含めて、すべてハッピー-エンドに終るが、これ一曲のみ結末を異にする。

鵜飼 うかい
旅の僧が甲斐国石和で宿を求めるが、貸してもらえず、川沿いの御堂に泊まる。そこに鵜使いの老人がやってくる。僧は鵜使いの老人に殺生戒を説く。従僧は、昔この辺を通った時にこのような鵜使いに殺生戒を諭し、一夜の宿の接待を受けたことを思い出し、話す。老人はその鵜使いが死んだことを物語る。―昔、石和には禁漁区があった。しかしその鵜使いは夜な夜な忍んで鵜を使って漁をしたところ、見つかり、ふしづけ(す巻き)にされた、という。―老人は語り終わると、実は自分はその鵜使いの幽霊であると明かす。僧は罪障懺悔に鵜を使うよう所望する。老人は鵜を使って見せるが、やがて闇に消える。
〈中入〉
僧が法華経で弔うと閻魔の下官(倶生神)が現れ、無間地獄に堕とすべき鵜使いを、僧の回向と、かつての一僧一宿の功力によって、仏所へ送りかえるのだった。

出演者紹介
CAST

河村晴久
Haruhisa Kawamura
日本能楽会会員

小笠原匡
Tadashi Ogasawara
日本能楽会会員

浅見真州
Masakuni Asami
日本能楽会会員

𠮷田篤史
Atsushi Yoshida
日本能楽会会員