夏の素謡と仕舞の会

公演日時:2019/07/14(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(素謡)高 砂       古橋正邦
(素謡)敦 盛       吉浪壽晃
(素謡)遊行柳       観世清和
(素謡)玄 象       浦田保浩
入場料:
一般前売 ¥4,500
一般当日 ¥5,500
学  生 ¥2,500

演目解説


高砂 たかさご
 都見物のため京に上る途中、播州高砂(兵庫県高砂市)の浦に立ち寄った肥後の国(熊本県)の神主・友成が、そこで松の木蔭を掃いている尉と姥に名所である「高砂の松」はどこかと尋ねると、今木蔭を掃き清めていた松がそうだと答えます。「相生の松」と「高砂の松」の物語、松のめでたさ、御代のめでたさを讃える謡です。「たかさごや このうらぶねに ほをあげて――」という一節が有名ですが、実は結婚式などで謡われるときは、御祝いの席に相応しいように少しアレンジされています。
 今回は、オリジナルを最初から最後まで聴くよい機会となるでしょう。

敦盛 あつもり
 一の谷の合戦で十六歳の平敦盛を討ちとった熊谷次郎直実は、あまりの痛ましさに世の無常を感じ、出家して蓮生坊と名乗っています。敦盛の菩提を弔うため再び一の谷(神戸市)を訪れると、笛の音が聞こえ、草刈りの男たちがやってきます。その中の一人と笛の話をしているうち他の男たちは帰ってしまいますが、その男だけが残ったので蓮生坊が不審に思い尋ねると、自分は敦盛の霊であることをほのめかします。その夜、蓮生坊が敦盛の霊を弔っていると敦盛の亡霊が現れ、平家の繁栄と没落や自分の最期の様子を物語り、弔ってくれる蓮生坊はもはや敵ではないと、その回向を謝し消えてゆきます。
 「敦盛」が公達の修羅能であることが聴く人にイメージされるよう、優雅に凛々しく謡われます。

遊行柳 ゆぎょうやなぎ
 諸国遊行の聖が、上総の国(千葉県)から陸奥へ向かい白河の関を越えると一人の老翁が現れ、先代の遊行上人が通られた古道を教え、古塚の上にある朽木の柳へと導きます。そして昔、西行上人がこの所に立ち寄られ「道の辺に清水流るる柳蔭暫しとてこそたちとまりつれ」と詠まれた名木であることを教えます。老翁は商人の十念を授かると古塚に立ち寄るように見せて消え失せます。その夜、上人が念仏を唱えていると、柳の精が白髪の老人姿で現れ、非情の草木でありながら成仏できたことを喜び、柳に因んだ故事を語ります。
 「遊行柳」は観ても聴いても、幽玄美の際立つ一曲です。

玄象 げんじょう
 琵琶の名手・藤原師長は国内に並ぶ者なしと唐に渡り、奥儀を究めようとします。渡唐のためにやって来た須磨浦(神戸市)で老夫婦の塩屋に一夜の宿を借り、主人の所望のまま一曲弾じると、にわかに村雨が降り来たり、板庇を打ち、調子を乱します。すると老夫婦は苫で板屋を葺き、これで雨音と琵琶の音が同じ調子になりました、と言うので、師長はこの老夫婦が音楽を心得ていると見て一曲を所望します。しかし夫婦が琵琶と琴で合奏する越天楽の見事さに、師長は、自分の己惚れを恥じ秘かに立ち去ろうとします。実は夫婦は、師長の渡唐を止めるために現れた村上天皇と梨壺女御の霊だったのです。やがて村上天皇の霊が現れ、海中の龍神に命じ龍宮に持ち去られた琵琶「獅子丸」を取り寄せ師長に授け、秘曲を伝えて昇天します。師長も琵琶を携え都へと帰っていきます。

出演者紹介
CAST

古橋正邦
Masakuni Furuhashi
日本能楽会会員

吉浪壽晃
Toshiaki Yoshinami
日本能楽会会員

観世清和
Kiyokazu Kanze
日本能楽会会員

浦田保浩
Yasuhiro Urata
日本能楽会会員