井上定期能 8月公演

公演日時:2020/08/22(土・SAT) 13:00~
主催:井上定期会
演目:
(能)兼平           𠮷田篤史
(狂言)仏師          茂山千三郎
(能)杜若 恋之舞       橋本擴三郎
入場料:
前売券     ¥3,800
当日券     ¥4,500
学生券     ¥2,000
五枚綴券    ¥17,500

演目解説

兼平 かねひら
 木曽義仲の家来であり、乳兄弟でもある今井兼平を主人公として描いた修羅能。平 家を都から追いやり、一時は朝日将軍ともてはやされた義仲も、やがては都で疎まれ る存在に。頼朝から送り出された義経を大将とする軍勢と近江粟津で決戦となる。最 後まで運命を共に戦った兼平も、義仲討ち死にを知るや、自害の手本とて太刀をくわ え馬から逆様に落ちて果てた。壮絶な死に様である。
 木曽から都へ上る僧(ワキ)が琵琶湖の東岸、矢橋へ着く。そこへ老人(前シテ) が漕ぐ柴舟が来合わせ便船する。対岸の大津粟津へ向かいながら老人は僧に眼前に広 がる名所を教える。比叡山、延暦寺、坂本と語るうちに船は粟津へ着く。僧の呼びか けに応える声はなく、いつの間にか老人は姿を消していた。そこへ当番であるという 渡し守(アイ狂言)が現われ、僧は粟津合戦の話を聞く。
 その夜、僧が弔うと、夢に兼平の幽霊(後シテ)が現われ、昼間の船頭が自分であっ たこと、また義仲の最期や自身の奮戦ぶり、壮絶な自害の様を語り消え去る。
 前場は船上でののどかな春景色、後場は厳しい寒さを感じさせる戦場を描く。

杜若 かきつばた 恋之舞 こいのまい
 諸国一見の旅僧が都から東国へ下り、三河国(愛知県)に着くと、とある沢辺に杜 若が今を盛りと咲いている。眺めていると一人の女が現れ、ここは八橋という杜若の 名所で、昔、在原業平が東下りの際にここに立ち寄り、「かきつばた」の五文字を句 の頭において「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たび をしぞおもふ」という歌を詠んだという故事を教える。その上僧を自分の庵に誘い、 女は初冠に唐衣を着て現れ、業平の形見の冠と高子の后の衣だと言い、驚いた僧に自 分は杜若の精だと明かす。そして、業平は歌舞の菩薩の生まれ変わりであるので、そ の詠歌の功徳により、非情の草木も成仏したと告げる。さらに『伊勢物語』や業平に ついて語り、舞い、夜明けとともに消えてゆく。
 「恋之舞」の小書(特殊演出)の節は、序之舞の中で橋掛へ行き水鏡に姿を映しなどする。 また、本文の一部(クリ・サシ・クセ)を省く場合もある。