京都観世会3月例会
Monthly Performances (March)

公演日時:2021/03/28(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能)花月         樹下千慧
(狂言)蚊相撲       茂山七五三
(能)西行桜 素囃子    橋本雅夫 ※12時40分頃
(能)大会         深野貴彦
入場料:
前売券 一般  自由席   ¥6,000
    学生2階自由席   ¥3,000

特別会員年間会費(会員券10枚) ¥75,000
普通会員年間会費(会員券10枚) ¥43,000
6回会員年間会費(会員券6枚)  ¥30,000

本公演は新型コロナウイルス感染予防ガイドラインに沿った対策を
講じた公演とさせて頂きます。
    ***3月例会前売券について***
前売券(一般6,000円・学生2階自由席3,000円)は、2月16日より事務所・
電話・WEBにて、限定数での発売といたします。
なお年間普通会員・6回会員の方は、事前予約無しでご入場いただけます。
※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

演目解説

花月 かげつ
 子どもが七歳の春に行方不明になったのを機縁に、筑紫彦山の麓に住む男が出家し、諸国修行の旅に出る。ある年の春、僧が都清水寺に参詣すると、花月と呼ばれる少年が現れる。花月は人に勧められるままに小歌をうたい、梅花をふみ散らす鶯を弓矢でねらい戯れ、続いて清水寺の縁起を曲舞で舞う。その様を見ていた僧は、これこそ失ったわが子よと名乗り出る。花月は父との再会を喜んで身の上話をし、羯鼓を打って舞い、やがて父子連れ立って仏道修行に赴く。
 能には喝食をシテとした一連の曲があり、いずれも遊狂の精神を旨とし、無邪気で明るく、どこか禅味を帯びた性格を持つ。特に「花月」は機智豊かで、しかも軽妙洒脱なところもある愛すべき少年で、中世的な雰囲気の横溢した作品である。

西行桜 さいぎょうざくら 素囃子 しらばやし
 京都西山の西行法師の庵室の桜は今が満開で、都から大勢の見物人がやってくる。西行は今年は桜を一人で楽しもうと思い、寺男に花見禁制の旨を人々に告げさせるが、はるばる都から訪れた人達をむげに断ることもできず、花見を許し一行を庭へ通す。しかし、やはり俗な花見客は心外だ、これも桜の咎だろうと「花見んと群れつつ人の来るのみぞあたら桜の咎にはありける」と歌に詠む。
 すると、その夜の夢に木陰から桜の精が現れて、先程の歌を詠んだ心を問いただす。そして「桜の咎(とが)」とされたことは承服できないと不満を述べ、非情無心の草木の花には何の罪もないことを西行に訴える。その一方で、西行と知り合ったことはこの上ない喜びだと言い、京都の桜の名所を次々と挙げてその美しさを讃え、春の夜を惜しみながら物寂びた舞を舞う。やがて夜も明け、桜の精は消え失せ、西行の夢も覚めるのであった。
 小書「素囃子」は、序之舞にかわり、より心象風景をあらわすシンプルな所作事(イロエ)になる特殊演出。「素」は古来、白色をもっともっと透明に近い白にしてゆく概念。

大会 だいえ
 天狗が鳶に化けて都の空を飛んでいたが、東北院のあたりで蜘蛛の巣にかかり落下する。居合わせた京童に捕まり、命を落とそうとしたその時、比叡山の僧が通りかかり、数珠と交換に鳶を受け取り、命を助けた。能はこの後の場面から始まる。比叡山の僧の庵に山伏姿の天狗が現われ、命を助けられた礼に何事でも望みを叶えようと言う。僧は霊鷲山での釈迦の説法の有様を目の当たりに拝むことを望む。天狗は容易なことではあるが、信心をおこして尊いと思われると困ると念をおして消え失せる。                                〈中入〉
 僧が目を開くと、音楽が聞こえ、比叡山は霊鷲山となり、釈迦が多くの菩薩に囲まれて獅子の座に座って説法をしている。僧正は大会の有様が目前に広がっているのを見て、天狗との約束を忘れ、思わず信心をおこして一心に拝んでしまう。するとにわかに帝釈天が現われ、外道の天狗が僧をたぶらかすと懲らしめ、天狗はさんざんの体で深谷の岩洞に帰って行った。

出演者紹介
CAST

樹下千慧
Jyuge Chisato

茂山七五三
Shigeyama Shime
日本能楽会会員

橋本雅夫
Hashimoto Masao
日本能楽会会員

深野貴彦
Fukano Takahiko
日本能楽会会員