京都観世会4月例会
Monthly Performances (April)

公演日時:2021/04/25(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能)嵐山 白頭      河村晴久
(狂言)文荷        善竹彌五郎
(能)采女 美奈保之伝   浅井文義
(能)藤戸 蹉跎之伝    青木道喜
入場料:
前売券 一般  自由席   ¥6,000
    学生2階自由席   ¥3,000

特別会員年間会費(会員券10枚) ¥75,000
普通会員年間会費(会員券10枚) ¥43,000
6回会員年間会費(会員券6枚)  ¥30,000

    ***4月例会前売券について***
前売券(一般6,000円・学生2階自由席3,000円)は、3月16日より事務所・
電話にて、限定数での発売といたします。
(但しWEB予約のみ4月1日より発売予定)
なお年間普通会員・6回会員の方は、事前予約無しでご入場いただけます。
※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

演目解説

嵐山 あらしやま  白頭   しろがしら
 都の西、嵯峨・嵐山の桜は、桜の名所・吉野山から移した千本の桜であるという。吉野は見に行くのにはあまりに遠いからである。
 当今の臣下が勅命を受け、嵐山の桜を見に行く。すると尉と姥がやってきて、箒で桜の木陰を清める。老夫婦は花守であり、桜の木は神木であるから尊崇するのだと教える。勅使が「なぜ神木なのか」と尋ねると、老夫婦は「有名な吉野の千本を移し植えたからであり、時々は子(木)守、勝手の神々がこの桜に来現されるのです」と答える。さらに勅使がなぜ「嵐」という、花が厭う名の土地を名所に定めたのかと聞くと、たとえ「嵐の山」であっても花は散らず、風にうち勝って木を守る、神の力をお示しになるのだ、と説明し、その中で自分たちは子守・勝手の夫婦の神であると明かす。夕暮れになり、神の化身(老夫婦)は雲に乗って姿を消す。      〈中入〉
 末社の神が現れ勅使をなぐさめ、続いて勝手(女体)子守(男体)の二神が今度は神の姿で現れ舞を舞う。やがて瑞雲たなびくと金色の光とともに蔵王権現が現れ、御代を祝福するのであった。

采女 うねめ 美奈保之伝 みなほのでん
 諸国一見の僧が、都から奈良・春日の里にやってくる。そこへ一人の女性が現れて猿澤池に僧を誘い、弔いを頼む。僧が訳を尋ねると、昔ある采女が帝に恋したが叶わず、この池に身を投げたと言い、さらに「吾妹子が寝ぐたれ髪を猿澤の池の玉藻と見るぞ悲しき」の歌は帝がこの采女に対して詠んだ歌であると語り、実は自分はその采女の幽霊と言うや、池水の底に消えてしまう。             〈中入〉
 僧が夜もすがら法華経を読み弔うと、池水より采女の霊が再び浮かび出で、僧に弔いを謝す。采女は、法華経が説くところの「変成男子龍女成仏」により私ももはや変成男子、先の采女とはお思い下さいますなと言い、昔の帝との「曲水の宴」を思い舞う。やがて采女は、これらは全て讃仏乗の因縁、仏法の徳を賛嘆しているのです、よくお弔い下さい、と言うとまた池水の底に入ってゆくのだった。

藤戸 ふじと 蹉跎之伝 さだのでん
 佐々木盛綱は備前国藤戸の合戦での先陣の功で賜った備前の児島へ新領主として乗り込み、訴えごとがあれば申し出よと領民に触れを出した。そこへ年たけた女が来て、罪もない我が子の漁師が盛綱によって殺されたことへの恨みを述べる。最初は語気荒く否定した盛綱も隠しきれず、去年三月二十五日、浦の男から藤戸の海を馬で渡れる浅瀬について聞いたこと、二人だけで密かに浅瀬の様子を見届けた後、他人に漏れることを恐れて男を刀で二回刺し、そのまま海へ沈めたことを打ち明けた。男を沈めた場所を教えると、老母は恨みの余り我が子を返せと激しく迫る。見るも哀れな老母の姿に盛綱は弔いを約束し、老母を慰めて家まで送り届けさせる。   〈中入〉
 弔いが始まり、盛綱自身も経を読むと、漁師の亡霊が水上に現れ、我が身の不運を嘆き、殺されたときの苦痛を述べる。藤戸の水底の悪竜となって祟りをなそうともしたが、思いがけない弔いを受けて成仏の身となったのであった。

出演者紹介
CAST

河村晴久
Kawamura Haruhisa
日本能楽会会員

善竹彌五郎
Zenchiku Yagoro
日本能楽会会員

浅井文義
Asai Fumiyoshi
日本能楽会会員

青木道喜
Aoki Michiyoshi
日本能楽会会員