京都観世会12月例会
Monthly Performances (December)

公演日時:2021/12/19(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 通 盛       河村 晴道
(狂言)薩摩守       茂山 逸平
(能) 蝉 丸 替之型   杉浦 豊彦
(能) 鉢 木       片山九郎右衛門
入場料:
   前売券 一般   自由席   ¥6,000
   当日券 一般   自由席   ¥6,500
   学生券   2階 自由席   ¥3,000

    ***12月例会前売券について***
前売券(一般6,000円・学生2階自由席3,000円)は、11月2日より事務所・
電話・WEBにて、限定数での発売といたします。
なお年間普通会員・6回会員の方は、事前予約無しでご入場いただけます。
※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

演目解説

通 盛 みちもり
 阿波国鳴門の磯辺にでて、毎夜平家の跡を弔う僧の前に、御経を聴聞しようと女と老人の乗った船が漕ぎ寄せてくる。暗闇の中、船の篝火の光で読経した僧に、二人は小宰相の局の物語を始める。一の谷の源平合戦で、夫通盛が果てたことを知った小宰相の局は絶望し、鳴門の海に入水したと物語るや、二人の姿は海中に消え失せる。
                                  〈中入〉
 回向をつづける僧の前に二人が在りし日の姿で現れ、今度は一の谷の合戦の物語をする。戦いの前夜、通盛は忍んで陣を抜け出し、小宰相の局と名残を惜しみ、月の下、盃を交わした。項羽と虞美人の別れの悲しみもこれにはまさろうかと語り明かす中、弟の教経に出陣の遅れを責められ、後髪を引かれながら合戦に出、木村源五重章に討たれた経緯を再現する。しかし、読誦の声に成仏の機縁を得たことを喜んで消えてゆく。
蝉 丸 せみまる  替之型  かえのかた
 延喜帝(醍醐天皇)の命により、清貫は盲目の皇子蝉丸を逢坂山に捨て置くために供をする。帝の慈愛の無さを嘆く清貫に対し、蝉丸は、前世の罪業を今世で果たし、来世を助けるための父の慈悲であるであると言い聞かせる。剃髪し、蓑と笠と杖を与えられた蝉丸は、清貫が帰ると一人泣き伏す。
 やがて博雅三位(はくがのさんみ)が蝉丸を訪(とむら)い、藁屋を設えて宮仕えを約して帰る。
 続いて延喜帝の第三の皇女逆髪がやってくる。生まれながら髪の逆立つ彼女は、狂乱して都を離れ、逢坂山で弟の宮蝉丸と再会する。二人は互いの悲運を嘆き、思い遣り、やがて涙と共に別れてゆく。
 貴種流離談の名曲。
鉢 木 はちのき
 上野国佐野で大雪に遭った旅僧(実は最明寺入道時頼)は、夫婦の者に一夜の宿を借りる。宿の主は暖を取る為、秘蔵の鉢木を切り、火に焚いてもてなす。常人とは思えぬ風情に、僧が名を尋ねると、主は佐野源左衛門常世と名乗る。一族に横領されて零落してはいるが、いざ鎌倉に大事あらば一番に馳せ参ると、その志を述べる。僧は鎌倉への沙汰(訴訟)を促し、別れる。                   〈中入〉
 鎌倉より使いが立ち、諸国より軍勢が集まる。執権最明寺入道時頼は、佐野での約束を違えず馳せ参じた常世を賞め、本領の安堵に加えて、鉢木のもてなしの報謝に、その木の名に因んで、梅田、桜井、松井田の三箇の庄を与える。常世はこれを賜り、歓喜して本領へ帰っていった。

出演者紹介
CAST

河村晴道
Kawamura Harumichi
日本能楽会会員

茂山 逸平
Shigeyama Ippei

杉浦 豊彦
Sugiura Toyohiko
日本能楽会会員

片山九郎右衛門
Katayama Kurouemon
日本能楽会会員