京都観世会1月例会
Monthly Performances (January)

公演日時:2022/01/09(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 翁          観世 清和
(能) 難 波        片山 伸吾
(狂言)三本柱        茂山七五三
(能) 梅          大江又三郎
(能) 野 守        松野 浩行
入場料:
一般前売指定席券          ¥8,000
一般前売自由席券          ¥6,000
一般当日券  (自由席)      ¥6,500
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。


・・・・・・・・・例会会員入場券の年間会費・・・・・・・・・・
普通会員様と6回会員様は、会員券1枚につき2,000円の追加料金で
事前指定が可能になりました。
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特別会員年間会費(会員券10枚)  ¥75,000
普通会員年間会費(会員券10枚)  ¥43,000
6回会員年間会費(会員券6枚)  ¥27,000

演目解説

おきな
 数ある曲の中で別格とされる『翁』は、能が芸能として整う以前の祖型であり、新年を言祝ぐに最も相応しい神事である。舞台に第一に登場するのは神体の翁面を運ぶ面箱持、それから直面の翁大夫、千歳、三番三、以下諸役が続く。  〈翁ワタリ〉
 翁大夫は正先に出て深々と一礼し、笛座前に座し、面箱が前に置かれると「とうとうたらり……」と謡い出す。露払役の千歳が颯爽とした「千歳ノ舞」を舞う間に白式尉の面を着けた翁大夫は「坐して居たれども」と謡い、大小前に立って「天拝」「地拝」をし、祝祷の謡の後に荘重な「翁ノ舞」を舞い始める。三節の各終りに「天・地・人」の足拍子を踏み、舞台を一巡すると再び「萬歳楽」と天拝して舞い納める。面を外して面箱に置き、一礼して大夫は千歳と共に幕入りする。〈翁ガエリ〉  続いて狂言方の三番三が走り出て、まず直面で力強い「揉ノ段」を舞う。その後、後見座で黒式尉の面を着けると、面箱持との問答を経て鈴を受け取り、「鈴ノ段」になる。呪術的な舞は最高潮に達したところで終止符が打たれ、舞台は元の張り詰めた静寂に包まれる。面を外した三番三と面箱持、後見、脇鼓が退場し、地謡が後座から地謡座へ移動し、次の脇能が始まる。

難波 なにわ
 朝臣が熊野三社に年籠りして、新春に都へ帰る途中、摂津の難波の里に立ち寄ると、老人と若者が難波の春景色をたたえ、梅の木蔭を掃き清めている。朝臣がその梅について尋ねると、名高い難波の梅について昔百済国(はくさいこく)から来た王仁が詠んだ「難波津に咲くや木の花冬ごもり今は春べと咲くや木の花」の歌を引き、仁徳帝とこの梅と縁の深いことを教え、仁徳天皇仁政を語って、実は自分はその王仁の霊であり、若者は梅の精であると打ち明け、今夜舞楽を奏して見せようといって消え失せる。                                〈中入〉
 花の下夜が更けると、音楽が聞こえ、梅の神霊である木華開耶姫と王仁が現われ、姫の舞に続いて王仁が舞楽を奏し、天下泰平を祝福する。

うめ
 京都五条に住む藤原の何某が難波へ行き、その春の景色の面白さに、『萬葉集』にある「桜花今盛りなり難波の海おし照る宮に聞し召すなへ」という大伴家持の歌を吟じていると、一人の里女が現れ、今の歌を本当の通りに吟じないのかと咎める。この歌は、家持の卿がまだ兵部小輔であった頃、公務でこの地へお出でになったとき、二月十三日にお詠みになったもので、三月三日には「含めりし花の初めに来し我や散りなん後に都へ行かん」とお詠みになっておられるのだから、あの二月十三日は梅の花の盛りである筈で、その上「おし照る宮に聞し召すなへ」とは、仁徳天皇が御位におつきになったことを申しあげたもので、その即位のとき、王仁が「難波津に咲くやこの花冬ごもり今は春べと咲くやこの花」(『古今集』序)と梅によそえてお祝いしているのだから、桜の歌である筈がない、梅の盛りが即ち花の盛りであると語る。花といえば桜を限っていうものだと言い伝えているが、それは古い例にあることではないと言って、女はやがて、この朧月夜に真の姿を現そうと言い残し梅の陰に姿を消す。
                                  〈中入〉
 月夜、藤原の何某が木陰に假寝していると、梅の精が現れて、「梅」という名は、この花が美しいばかりでなく、薬となる実を結び、木の肌も美しく、木立まで他の木より勝れているので、うま(賞美する詞)という語に通わせて、うめという名を与えられたことなど、梅についての故事を語り、千代萬代限りなく栄えるようにと謡い舞って見せ、御代の長久を祝う。

野守 のもり
 出羽国羽黒山の山伏が大峰葛城山へと志し、途中大和国春日の里に着くと、一人の野守の翁と出会う。そこで近くにあった謂われのありそうな池について尋ねると、翁は「これは野守の鏡といって、自分たちのような野守が影を映す水である。本当の野守の鏡とは鬼神の持つ鏡のことで、その鬼神は昼は人となってこの野を守り、夜は鬼となってこの塚に住んだのだ」と答える。さらに「はし鷹の野守の鏡得てしがな思ひ思はず外ながら見ん」という歌はこの池について詠まれたのかと尋ねると、翁は、昔この野で御狩のあった時、御鷹の逃げたのがこの水に映って行方が知れたことから、その歌が詠まれたのだと語る。山伏が真の野守の鏡を見たいというと、翁はこの水鏡を見られよといって塚の中へ消え失せる。               〈中入〉
 山伏がこの奇特を喜んで塚の前で祈ると、鬼神が鏡を持って現れ、天地四方八方を映して見せた後、大地を踏み破って奈落の底に入る。

出演者紹介
CAST

観世清和
Kanze Kiyokazu
日本能楽会会員

片山伸吾
Katayama Shingo
日本能楽会会員

茂山七五三
Shigeyama Shime
日本能楽会会員

大江又三郎
Oe Matasaburo
日本能楽会会員

松野浩行
Matsuno Hiroyuki