京都府次世代等古典芸能普及促進公演

観世青年研究能

公演日時:2022/08/06(土・SAT) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 田 村    谷 弘之助
(狂言)太刀奪    山本 善之
(能) 杜 若    河村 紀仁➡河村 晴道
(能) 鵺      寺澤 拓海

※都合によりシテの配役が変更となりました。ご了承ください。
入場料:
【全席指定】 一般前売 ¥3,000
       一般当日 ¥3,500
       学  生 ¥1,500

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。
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演目解説

田 村 たむら
 桜満開の清水寺。東国からの僧(ワキ)が童子(前シテ)に出会う。二人で桜月夜の風情を楽しむ。実はその童子、清水寺を創建した征夷大将軍・坂上田村麻呂の化身であった。やがて武将姿で現れた田村麻呂の霊(後シテ)は、かつて、合戦の最中に現れた千手観音の助勢によって敵がことごとく滅びた有様を物語る。そして観音の力を讃えて消えていく。
 坂上田村麻呂とは世を乱す鬼神を退治した武人。前段は、清水寺の縁起を説き、後段は、観音の助力を得た勇壮な戦物語。他の修羅能にはない、品位と豪快さがある。

杜 若 かきつばた
 初夏、三河国に着いた諸国一見の僧(ワキ)が、咲き誇る杜若の美しさに見とれている。そこへ現れた里の女(前シテ)は、ここ八橋は杜若の名所であり、昔、歌人・在原業平が『からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもふ』という歌を詠んだ故事を教える。そして女は僧を自分の庵に案内すると、やがて色鮮やかな唐衣、透額の冠を着けて現われ、自分が「杜若の精」(後シテ)だと明かす。さらに、業平は歌舞の菩薩の生まれ変わりであるため、その和歌の言葉が経文となり草木までも成仏したと告げ、『伊勢物語』の業平の恋物語について語り、舞い、やがて消えゆく。
 花の精が身に着ける唐衣は、業平と恋仲の二条ノ后高子の御衣、初冠は業平の形見の品。僧の夢の中では、その舞い姿は、杜若の精にも、高貴な后にも、業平その人にも映る。

ぬえ
 旅の僧(ワキ)が都へ上がる途中、摂津国・芦屋の里に着く。里人(アイ)に宿を頼んで断られ、夜な夜な光るものが出るという州崎の堂に泊る。すると不思議な怪しい姿の舟人(前シテ)がやって来て、自分の心の闇を弔ってほしいと頼む。不審に思った僧が名を問うと、源頼政の矢先にかかって命を失った鵺の亡魂であると名乗り、その射止められた有様を物語り、恐ろしい鳴声を残して姿を消す。僧が回向をしていると、鵺の霊(後シテ)が真の姿を現わし、頼政に退治された子細を仕方話に再現し、供養を感謝して消えていく。
 鵺とは実在の鳥ではなく、頭が猿、足手は虎、尾は蛇、鳴き声がヌエに似ているという妖怪。非体制の敗者の哀感を、鵺の運命にこと借りて描いた、世阿弥の作品。

出演者紹介
CAST

谷 弘之助
Tani Konosuke

山本 善之
Yamamoto Yoshiyuki

河村 晴道
Kawamura Harumichi
日本能楽会会員

寺澤 拓海
Terasawa Takumi