京都観世会8月例会
Monthly Performances (August)

公演日時:2022/08/28(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 放下僧       味方  團
(狂言)吹 取       野村又三郎
(能) 浮 舟       杉浦 豊彦
(能) 融         橋本擴三郎
     舞返之伝
入場料:
一般前売指定席券※WEB        ¥8,000
一般前売自由席券          ¥6,000
一般当日券  (自由席)      ¥6,500
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

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・・・・・・・・・会員様向け座席指定について・・・・・・・・・・
普通会員様と6回会員様は、会員券1枚につき2,000円の追加料金で
WEBにて事前指定が可能になりました。
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演目解説

放下僧 ほうかぞう
 下野国の住人牧野小次郎は、父の左衛門を相模国の住人利根信俊に討たれた。小次郎は、出家して近くの会下(主として禅家の修行道場)に身を寄せていた兄を訪ねて仇討ちをすすめる。兄は、出家の身としていかがであろうかと言うが、小次郎は唐土の故事を語って兄を説得する。しかして、仇の利根信俊を油断させるべく放下に変装し、兄弟は仇討ちに出発する。放下とは大道芸人である。        〈中入〉
 さて、こちらは利根信俊、このところ悪い夢ばかり見るので、瀬戸の三島明神に参ってご利益を願おうと、しのびの旅をしている。信俊は従者に「名を明かすな」と命じる。そこへ放下姿の小次郎兄弟がやって来て浮雲・流水〈ふうん・りゅうすい〉と名乗り、従者から信俊へとりなしてもらう。信俊は禅問答に興じ、彼らが仇討ちに来たとは知らず供を許し、彼らの曲舞・鞨鼓・小歌の芸に見入る。やがて眠気が襲ってきたところに、兄弟は走りより、終に本望を遂げるのだった。

浮 舟 うきふね
 初瀬から都へ向かう旅の僧が、宇治川で芝船に乗る女と出会う。女は僧の問いに、昔この地にいた浮舟の物語をする。光源氏の子(実は柏木の子)である薫に愛された浮舟は、朱雀院の子である兵部卿の匂宮に通じることになり、二人への想いに耐えられず、姿を消した。詳しく語る女に、僧は住まいを尋ねると、小野の者と答え、物の怪に苦しむ身の救いを求めて消え失せる。               <中入>
 所の者から浮舟の物語を聞いた僧は、小野に行き、経を読んで弔いをする。すると、浮舟の霊が現れ、物の怪に取り憑かれ、心も空になった有様を見せるが、僧の弔いに助けられたことを喜び、夜明けとともに姿を消す。
とおる  舞返之伝  まいがえしのでん
 東国の僧が都に上って、六条河原院の跡に着いて休んでいると、田子を担った老人がやってくる。この辺りの人かと尋ねると、この所の汐汲みだと答える。僧が海辺でもない土地で汐を汲むとはおかしいと言うと、ここは昔、源融公が広大な屋敷を造り、庭内に陸奥の塩釜の景観を移したところであると答える。老人は僧の問うままに、融が日毎に難波の浦から潮水を運ばせここで塩を焼かせるという豪奢な風流を楽しんだが、相続をする人もなく荒れ果ててしまったことを物語る。そして、遠近の名所を教え、やがて汀に立ち寄って汐を汲むかと思うと、姿は消え失せる。 〈中入〉
 その夜、僧がそこで仮寝をしていると、融公が貴人の姿で現れ、昔を偲んで名月の下で舞をまい、夜明けとともに月の都へと帰ってゆく。

出演者紹介
CAST

味方  團
Mikata Madoka
日本能楽会会員

野村又三郎
Nomura Matasaburo
日本能楽会会員

杉浦 豊彦
Sugiura Toyohiko
日本能楽会会員

橋本擴三郎
Hashimoto Kozaburo
日本能楽会会員