京都観世会9月例会
Monthly Performances (September)

公演日時:2022/09/25(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 輪 蔵       井上 裕久
(狂言)仏 師       茂山千之丞
(能) 井 筒       河村 晴道
(能) 善 界       味方  玄
      白頭
入場料:
一般前売指定席券※WEB        ¥8,000
一般前売自由席券          ¥6,000
一般当日券  (自由席)      ¥6,500
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

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・・・・・・・・・会員様向け座席指定について・・・・・・・・・・
普通会員様と6回会員様は、会員券1枚につき2,000円の追加料金で
WEBにて事前指定が可能になりました。
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演目解説

輪 蔵 りんぞう
 大宰府の僧が北野天満宮に参詣し、一切経を蔵する輪蔵を拝んでいると、法の友よ、と火天を名乗る老人が声をかける。僧が、五千余巻の一切経を一夜のうちに拝みたいと言うと、老人はその志を称え、大唐より一切経を守り日本に渡った傅大士とその子普建普成の名を教え、また必ずここに来て一切経の功徳をあらためて示そう、と言って姿を消す。                         〈中入〉
 末社の福部の神が輪蔵の由来を語ると、煌々たる月の後夜、異香薫じる中、傅大士が普建普成の二童子を伴い、御厨子のうちに姿を現し、一切経を入れた箱を僧に与えて、夜遊の舞を舞う。
 そこに守護神火天が天下り、皆で輪蔵を回転させる。一夜で一切経を転読し終えた僧に、火天はますます当社を崇めよと言って天に上がり、傅大士は二童子とともに御厨子に帰り行く。

井 筒 いづつ
 秋の暮、旅僧が在原業平の古跡、石上を訪れる。荒れ果てた野に井戸がひとつ残っている。そこへ里の女が現れ、前の塚に回向する。僧の問いにこれは業平の塚であると答え、『伊勢物語』二十三段を語る。昔ここに幼い男女が暮らし、日ごろ井戸のそばで遊んでいた。長ずるにしたがいお互い恥じるすべを知り、行き来も絶えたが、やがて男から「筒井筒井筒にかけしまろがたけ生ひにけらしな妹見ざる間に」と求愛し、女も「比べ来し振分髪も肩過ぎぬ君ならずして誰かあぐべき」と答えてついに結ばれた。しかし、男は別の女のもとへ通うようになる。女が何も責めないので、男は妻にも別の男が通うのかと、茂みに隠れて様子を窺うと「風吹けば沖つ白波龍田山夜半にや君がひとり行くらん」と夫の身を案じていた。その切実な心に夫の心は妻のもとに戻った。里女はそれは自分であると名のり、井筒の蔭に姿を消す。  〈中入〉
 僧が通夜をしていると、女は恋しい業平の形見の冠、直衣を身につけて現れる。過去を追憶する舞を舞い、井戸を見こむと、水鏡に映るのは恋しい人の面影。過去への想いにむせび、夜明前に霊は消えて行く。
善 界 ぜがい  白頭   しろがしら
 唐土の天狗の首領善界坊は、すでに本国では慢心の者達を天狗の道に誘いこんでしまったので、次は日本の仏法を妨げようと考え、山伏姿となって愛宕山の太郎坊という天狗を尋ねる。太郎坊は善界坊の魂胆を聞き、同意して、まず比叡山の様子をうかがうことにする。しかし不動明王は悪魔を祓う威力を持っているので不安にもなるが、二人の天狗は比叡山へと出かけて行く。             〈中入〉
 比叡山飯室の僧正が従僧をつれて車で都へ急いでいると、急に大風が吹き、雷鳴が轟く。驚いているところへ善界坊が天狗の姿で出現し、僧正に言葉をかけ、邪法を唱えながら車の長柄をつかんで僧正を魔道に誘引しようとする。僧正が不動明王に祈ると、不動明王が二童子や十二天を従えて現われた上、山王権現をはじめ男山、松尾の神々が現われて神風によって善界坊は吹きはらわれ、力尽きて今後は日本には来ないという声だけを残して雲の中へ消えて行くのであった。

出演者紹介
CAST

井上 裕久
Inoue Hirohisa
日本能楽会会員

茂山千之丞
Shigeyama Sennojo

河村 晴道
Kawamura Harumichi
日本能楽会会員

味方  玄
Mikata Shizuka
日本能楽会会員