京都観世会11月例会
Monthly Performances (November)

公演日時:2022/11/27(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 通 盛       分林 道治
(狂言)飛 越       茂山千五郎
(能) 松 風       観世銕之丞
      見留
(能) 殺生石       林 宗一郎
      白頭
入場料:
一般前売指定席券※WEB        ¥8,000
一般前売自由席券          ¥6,000
一般当日券  (自由席)      ¥6,500
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

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・・・・・・・・・会員様向け座席指定について・・・・・・・・・・
普通会員様と6回会員様は、会員券1枚につき2,000円の追加料金で
WEBにて事前指定が可能になりました。
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演目解説

通 盛 みちもり
 阿波国鳴門の磯辺にでて、毎夜平家の跡を弔う僧の前に、女と老人の乗った船が漕ぎ寄せられる。暗闇の中、僧が船の篝火の光で読経すると、二人は聴聞を喜び、僧の所望に応えて小宰相の局の物語を始める。一の谷の源平合戦で、夫通盛が果てたことを知った小宰相の局は絶望し、鳴門の海に入水したと物語るや、二人の姿は海中に消え失せる。                            〈中入〉
 回向をつづける僧の前に二人が在りし日の姿で現れ、今度は一の谷の合戦の物語をする。戦いの前夜、通盛は忍んで陣を抜け出し、小宰相の局と名残を惜しみ、月の下、盃を交わした。項羽と虞美人の別れの悲しみもこれにはまさろうかと語り明かす中、弟の教経に出陣の遅れを責められ、後髪を引かれながら合戦に出、木村源五重章に討たれた経緯を再現する。しかし、読誦の声に成仏の機縁を得たことを喜んで消えてゆく。
 夫婦の愛を主題にすえた、異色の修羅能。

松 風 まつかぜ  見留  みとめ
 諸国一見の僧が須磨の浦に立ち寄る。磯辺の松が松風・村雨姉妹の旧跡と聞き、弔う。日が暮れたので塩屋(塩焼き小屋)に宿を借りようと主を待つ。塩汲みの女が二人、汐を汲み、塩屋に帰ってくる。僧が泊めてくれるように頼む。女は一度は断るが、出家と知り、宿を貸す。僧がさきほどの松のことを口にすると、女二人は涙する。聞くと実は二人は「この世に亡き人」、昔この須磨で、在原行平に寵を受けた海士乙女、松風・村雨の霊であった。
 二人は行平のことを語っていたが、松風は行平の形見である立烏帽子と狩衣(実際は小立烏帽子と長絹)を手に取り、泣き崩れ、やがてそれを身にまとい、狂おしく松に寄り添う。松風は弔いを僧に頼み、帰るとみて夜は明け、僧の夢は覚め、須磨の浦にはただ松に吹く風が残るばかりであった。
殺生石 せっしょうせき  白頭   しろがしら
 玄翁という僧が奥州から都へ向かう途中、下野の那須野を通ると、大石の上を飛ぶ鳥が落ちて来るのを見る。すると女が現れ、石に近づくと命が危ないぞ、という。これは鳥羽院に仕えた玉藻の前の執心が変じた殺生石で、生き物を殺すと告げ、玉藻の前の物語を語る。玉藻の前は容姿端麗、才覚人に優れ、鳥羽院の寵愛を受けた。ある夜、御殿の灯が消えると、玉藻は身体から光を放ち、それより鳥羽院は病となった。安倍泰成が占うと玉藻が化生の者であると露見し、王法を傾ける企みがばれた。調伏を始めると、那須野へ逃れ行き、殺生石となった。女は自らがその石魂であると明かして石に隠れる。                        〈中入〉
 玄翁が石に向かって祈ると、石が二つに割れ、野干(狐)姿の石魂(玉藻前)が現れ、天竺・唐土での野干の前世や、鳥羽院に遣わされた三浦介・上総介によって射伏せられたことを、仕方話に語り見せ、終には玄翁の回向を喜び、今よりは悪事を働く事は無い、と約束して再び石の中に姿を消すのだった。

出演者紹介
CAST

分林 道治
Wakebayashi Michiharu
日本能楽会会員

茂山千五郎
Shigeyama Sengoro
日本能楽会会員

観世銕之丞
Kanze Tetsunojo
日本能楽会会員

林 宗一郎
Hayashi Soichiro
日本能楽会会員