日本全国 能楽キャラバン! in 大江能楽堂
時のうつろふ観能会
※会場は観世会館ではございませんのでご注意ください
主催:公益社団法人能楽協会、公益社団法人京都観世会
後援:京都新聞、NHK京都放送局、KBS京都、エフエム京都
会場:大江能楽堂
(能) 巴 松井 美樹
替装束
(狂言)末広かり 茂山忠三郎
(能) 卒都婆小町 片山九郎右衛門
一度之次第
一般当日券 ¥6,000
学 生 券 ¥2,500
ご予約・お問合せ:京都観世会事務局 TEL:075-771-6114 (9:00~17:00)
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大江能楽会 TEL:075-561-0622
※状況により当日券販売を実施しない場合がございます。
※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。
演目解説
木曽より都へ上る僧が、近江国粟津原に立ち寄ると、由ありげな女が現れ、神前で涙を流す。女はこの祭神が木曽義仲であると教え、神の五衰を慰めるために読経を勧める。そして我が名は里人に尋ねよと言い残し姿を消す。 〈中入〉
女は巴御前の化身であろうと里人に聞いた僧が読経して待つと、巴の幽霊が再び現れ、粟津原の合戦で討たれた義仲の最期と、義仲の形見を持って生き長らえた我が身の口惜しさを語り、弔いを乞うて消えて行くのだった。
巴は、最愛の人、義仲とともに死ぬことを望み、義仲は巴に生きて形見を木曽に届けよと命じた。来世までも添うために死を望んだ巴に「三世の契り絶え果て、永く不孝」と言い放った義仲。もはや巴には生きるよりほかに道はなかった。《巴》は戦をするから修羅能であるのではなく、戦をめぐって安息を得ぬ魂が描かれるから修羅能なのである。
「替装束」の小書では、後シテの装束が唐織壺折を長絹の肩上げにする姿となる。
高野山の僧が都へ上る途中、鳥羽の辺りまで来て休んでいると、一人の老婆がやって来くる。老婆は、自分はもう百歳になった、美しかった昔に比べれば今は人の見る目も恥ずかしい程老い衰えたものだと独り言をいい、朽ちた卒都婆に腰をかけた。僧が、卒都婆は仏体であると言ってとがめると、老婆は素直にあやまらず、かえって僧の問いかけに仏法の奥儀で弁舌鮮やかに反論する。僧はまことに悟れる老婆かなと感心し、頭を地につけて拝礼すると、今度は「極楽の内ならばこそ悪しからめ、そとは(外は・卒都婆)何かは苦しかるべき」などと茶化した歌を詠んで戯れる。驚いた僧がその名を問うと、自分は小野小町のなれの果てであると明かし、ありし昔を述懐し、今の境遇を嘆く。そのうち小町は、かつて小町に恋慕して九十九夜通って死んだ深草ノ少将の怨霊に取りつかれ狂乱し、百夜通いの様を見せる。やがて我に返り、後世を願って仏に仕え、まことの悟りの道に入りたいと願うのだった。
大変重く扱われる<老女物>の一つで、小野小町を主人公にした曲の中でも特に佳作とされる。観阿弥作。
出演者紹介
CAST
松井 美樹
Miki Matsui
日本能楽会会員
茂山忠三郎
Shigeyama Tyuzaburo
日本能楽会会員
片山九郎右衛門
Katayama Kurouemon
日本能楽会会員