第七回 復曲試演の会

公演日時:2023/06/18(日・SUN) 13:00~
主催:京都観世会
演目:
(講演)「悲しみをこらえて舞う祇王の祈り」
        法政大学名誉教授 西野 春雄

(復曲能)    粉河祇王    青木 道喜
(古演出による能)昭  君    吉浪 壽晃
                 大江 信行
入場料:
    S席 (1階正面指定席)  ¥8,000 
    A席 (1階脇中正面指定席)¥6,000 
    B席 (2階自由席)    ¥4,000 
    学生席(2階自由席)    ¥2,000 
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   【チケット発売】4月16日(日)

演目解説

粉河祇王 こかわぎおう
 祇王は、平清盛の寵愛を受けた白拍子の名手。白拍子とは、今様を歌い、舞を舞う男装の女性芸能者である。祇王は粉河出身(現・和歌山県紀の川市粉河)という説があり、それを踏まえ、能「粉河祇王」は作られている。
 粉河の地で争いが起こり、一人の若者が牢に入れられる。牢の番人は若者を不憫に思い、逃してしまう。この番人が祇王の父であった。罪人を逃した罪は重く、祇王の父は牢に入る。明日処刑という日、祇王が都から駆けつけ、面会を懇願する。舞を舞うことを条件に牢越しの対面を果たし、いよいよ首を斬られる時刻、一心に観音に祈る二人の前で、振り下ろされるはずの刀が二つに折れるという奇瑞が起こる。父は許され、伴って都へ帰るのだった。
 父と娘の親子の情愛、観音信仰の功徳を描く。作者は世阿弥の実子・十郎元雅かその周辺の人物と目されている。別名「籠祇王」。
 今回は、祇王が旅姿から白拍子の姿に装束を替え、父から相伝されたという舞を舞うなど、復曲ならではの工夫をこらす。
 なお、粉河の地には、千手観音を本尊とする奈良時代創建の粉河寺があり、祇王が父のために舞を舞ったという「舞田」の地名が残る。

昭君 しょうくん
 中国四大美人の一人、王昭君は、漢王に寵愛されていたが、和睦のため胡国へ差し出された。年老いた父・白桃と母・王母は、「自分が空しくなればこの柳も枯れるでしょう」と昭君が植えおいた柳の片枝が枯れてきたと、その身を案じ、涙にくれる。老夫婦は、せめて鏡に娘の姿を見ようと試みる。すると、美しい昭君の霊が現れ、続いて、胡国の王・呼韓邪単于(こかんやぜんう)の霊も鬼のような姿で現れるのだった。
 現行の演出では、前シテ〔白桃〕が中入して扮装を替え、後シテ〔呼韓邪単于〕として登場する。それを古いかたちに戻し、今回は老夫婦二人とも舞台に残り、後シテを別の者が演じる。

出演者紹介
CAST

青木 道喜
Aoki Michiyoshi
日本能楽会会員

吉浪 壽晃
Yoshinami Toshiaki
日本能楽会会員

大江 信行
Oe Nobuyuki
日本能楽会会員