京都観世会12月例会
Monthly Performances (December)

公演日時:2023/12/17(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 小 督        𠮷田 篤史
(狂言)悪 坊        茂山あきら
(能) 龍 田        河村 晴道
      移神楽
(能) 大江山        味方  玄
      替之型
入場料:
一般前売指定席券          ¥8,000 ※予定枚数終了
一般前売自由席券          ¥6,000 ※予定枚数終了
一般当日券  (自由席)      ¥6,500 ※予定枚数終了
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000 ※予定枚数終了

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

演目解説

小 督 こごう
 平家全盛の頃。高倉帝の寵愛する小督局は、中宮・徳子(平清盛の娘)を憚り、宮中より姿を消してしまう。高倉帝は嘆き悲しむ。小督が嵯峨野に隠れ住むという噂を聞いた帝は、源仲国に小督を捜すよう命じる。小督は琴の上手、仲国は笛の上手で、以前に宮中で共に演奏をしたことがある。今日は仲秋名月、きっと小督は琴を弾くであろう、その琴の音を頼りに捜そうというのだ。帝より馬を賜り、帝の文を携えて、仲国は嵯峨野へ急ぐ。                       〈中入〉
 一方の小督局は、片折り戸の粗末な庵に、侍女と共にひっそりと隠れ住んでいる。帝を想い、琴を掻きなす。仲国は馬を駈け寄せ琴の音を聞きつけ、小督の隠れ家に至る。はじめは拒否されるが、やがて小督は仲国を庵に招じ入れる。帝の文を受け取ると小督はあまりのかたじけなさに落涙する。小督の返書を預り、別れの宴のあと、仲国は帝のもとに急ぐのだった。
龍 田 たつた  移神楽    うつりかぐら
 初冬の夕暮れ時、六十余州に経を納める旅の僧が龍田越えにかかり、河内の国へと急ぐ。龍田川のほとりに着き、川を渡って明神へ参ろうとすると、一人の神巫に「その川を 渡ってはいけない」と呼び止められる。僧がその訳を尋ねると、神巫は〝龍田川もみぢ乱れてながるめり渡らば錦中や絶えなむ〟という和歌を引く。僧は、今は薄氷が張って立つ波も見えぬ様子なので許してほしいと言うが、またも神巫は〝龍田川紅葉を閉づる薄氷渡らばそれも中や絶えなむ〟という家隆の歌を引き、薄氷の中に散った紅葉がやはり錦のようであるので、それを心なく渡るのはあまりに分別のないことだと答える。やがて神巫は僧を明神へ案内し、宮めぐりのうちに「龍田姫は我なり」と明かして社壇の中へ消えていった。              〈中入〉
 僧が通夜をしていると、神殿より龍田姫の神が現れ、世界の始めより御代を守る天の御矛を守護する瀧祭の御神とは、当社のことを申すのだと語り、龍田の紅葉の景色を愛で、夜神楽を奏し、次第に夜が明けてゆくと、国土の安穏を守って昇天するのだった。

大江山 おおえやま  替之型  かえのかた
 丹波国大江山の鬼神を退治せよという勅命を受けた源頼光の一行は山伏に変装して都を出立する。大江山に着き、鬼に捕われていた都の女の手引きで酒呑童子の住家へ、道に迷った態で一夜の宿を乞う。童子は一行を迎えるが、重代の住家であった比叡山を追われ、ここに隠れ住んでいるのを山伏達に見現された事を嘆き、他言してくれるなと頼む。そして酒宴を開き山伏達を歓待するうちに酔い伏してしまう。
                                 〈中入〉
 夜が更けるのを待って頼光一行が童子の寝所へ討入ると、童子は身の丈二丈ばかりの鬼神の姿を現すが、戦いの末、鬼神の首を打ち落とし、一行は都へ帰って行く。

出演者紹介
CAST

𠮷田 篤史
Yoshida Atsushi
日本能楽会会員

茂山あきら
Shigeyama Akira
日本能楽会会員

河村 晴道
Kawamura Harumichi
日本能楽会会員

味方  玄
Mikata Shizuka
日本能楽会会員