京都観世会9月例会
Regular Performances (September)

公演日時:2024/09/22(日・祝・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
  (能) 俊 寛      観世銕之丞
  (狂言)舟渡聟      小笠原由祠
  (能) 野 宮      橋本擴三郎
  (能) 熊 坂      分林 道治
        替之型
入場料:
一般前売指定席券※WEB        ¥8,500
一般前売自由席券          ¥6,500
一般当日券  (自由席)      ¥7,000
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

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普通会員様と6回会員様は、会員券1枚につき2,000円の追加料金で
WEBにて事前指定が可能です。
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演目解説

俊 寛 しゅんかん
 平清盛の娘、中宮徳子の安産の祈りの為、鬼界島へも赦免使が立つ。島には、平家討伐を企てた鹿谷の陰謀が発覚し、遠流となった俊寛、成経、康頼の三人が居る。成経、康頼二人は今日も、島に勧請した三熊野に参詣し、帰洛を祈っている。しかし俊寛一人は神仏をも頼まず、ただ昔を思い、心を閉ざすばかりであった。そこへ赦免使が着く。俊寛は受け取った赦免状を康頼に渡し、読ませる。だが俊寛の名が無い。「何とて俊寛をば読み落し給ふぞ」「さては筆者の誤りか」「もしも礼紙にやあるらん」「夢ならば覚めよ」と、現実を受け入れることができない俊寛は、赦免状を地に投げ捨て号泣する。出船の時が来ると康頼の袂にすがり「せめては向いの地にまでなりとも」と赦免使に懇願するが受け入れられない。船の纜(ともづな)にすがり、船に手を合わせ、渚にひれ伏すが、終に船影も人影も消えて見えなくなってしまった。
野 宮 ののみや
 諸国一見の僧が嵯峨野宮を訪ねると、榊を手にした女が現れ、宮所を清める。僧の問いに答え、今日長月七日は、光源氏が六条御息所をこの野宮に訪うた日であると教える。また、先東宮妃である御息所が光源氏の愛を受け、そしてまた愛を失い、源氏への思いを絶つ為に、伊勢斎宮(未婚の皇女が伊勢神宮に仕える制度)に立つ娘と共に、その潔斎所である野宮に籠り、源氏の訪問を受け、やがて伊勢へ下ったことを委しく語る。そして自らは御息所と名宣り、夕暮の黒木の鳥居のもとに立ち隠れる。
                                  〈中入〉
 所の者から御息所の謂れを更に聞いた僧が、夜もすがら跡を弔っていると、破れ車に乗った御息所の霊が現れ、車争いの様を再現し、妄執を晴らし給えと僧に頼む。そして昔を思い、月に袖を返し、源氏を野宮に待ち続けた様を追体験するが、また車に打ち乗って消えてゆく。

熊 坂 くまさか  替之型  かえのかた
 都の僧が東国を目指して中山道赤坂の宿に着くと、赤坂在所の僧から、今日はある者の命日なので弔って欲しいと頼まれ、草庵に招き入れられるが、庵の持仏堂には仏像などの仏具はなく、大長刀をはじめとする武具が所狭しと置かれている。赤坂の僧は、武具は街道に出没する夜盗を追い払うためのものだと言い、出家の身ながら浅ましい所業だが、「弥陀の利剣」という詞もあると言い姿を消すや、庵室も消えて、あたりはただの草叢となる。                     〈中入〉
 赤坂の里人がその僧は盗賊熊坂長範の化身だと語り、僧が読経を始めると、大長刀を引っ提げた熊坂長範の霊が現れ、生前、三条吉次一行の黄金を奪おうとして、牛若丸の飛鳥のような勢いに敗れ討たれた有様を再現して語り、旅の僧に後世での救済を乞い消えてゆくのであった。

出演者紹介
CAST

観世銕之丞
Kanze Tetsunojo
日本能楽会会員

小笠原由祠
Ogasawara Tadashi
日本能楽会会員

橋本擴三郎
Hashimoto Kozaburo
日本能楽会会員

分林 道治
Wakebayashi Michiharu
日本能楽会会員