公演日時:2024/11/30(土・SAT) 12:45~
主催:井上定期会
演目:
(お話)「和歌の力・笛の力」 林 和清
(能) 白楽天 井上 裕久
(狂言)舟 船 茂山七五三
(能) 橋弁慶 吉浪 壽晃
笛之巻
入場料:
前売券 ¥3,800
当日券 ¥4,500
学生券 ¥2,000
五枚綴券 ¥17,500
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演目解説
白楽天
日本の知力を試すため、白楽天は従者を伴い、波路を経て日本へ渡る。舟に乗って現われた漁翁と若い男に白楽天が声をかけると、二人は既にそれが白楽天であることを知っており白楽天を驚かせる。漁翁は、日本では和歌が盛んであることを述べ、白楽天が詠んだ漢詩をすぐに和歌に詠みかえる。日本では人間のみならず鳥類畜類までも歌を詠むと述べ白楽天を感歎させ、続いて舞楽を奏でて見せようと言って立ち去る。やがて和歌の神である住吉明神が現われ、明神の力のある限りは日本を窺わせはしない、早く帰り給えと言って舞楽を奏でると、神々も出現して同じく舞を舞い、その袖から起る神風により白楽天の船は吹き返されてしまう。
白楽天と漁翁が海上で出会った場面で、シテ漁翁が脇正面に向い、釣り糸を垂れる場面は型としては非情に珍しく、本曲のひとつの特徴となっている。
橋弁慶
笛之巻
「笛之巻」とは、本曲の変型で、武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)が五条天神へ丑(うし)の刻詣でを云々する前半(中入までの前場)を次の通りに変える演出である。
源義朝(よしとも)の家臣・羽田十郎秋長(はねだじゅうろうあきなが)は、牛若丸が学問をせず夜ごと五条の橋で人を斬っていることを心配し、牛若の母・常盤御前(ときわごぜん)に訴える。母は涙ながらに牛若を叱責する。牛若が詫びるので、母は伝授した由緒ある笛について、その虫食いの筆跡の由来を説く。そこには「一万五千三百余年の後、弘法大師の御手を経て、その後義朝の末の子牛若の手に渡るであろう」と記されていた。夜が明ければ寺へ上ることを約束し、母常磐は常の居間に去る。 〔中入〕
母の命(めい)により、また明日からは鞍馬山へ上ることとなった牛若丸は、今夜を名残りと五条橋へ出、通る人を待つ。そこへ、鎧(よろい)姿に長刀を肩にした弁慶が現れる。女装をしている牛若に気をゆるめ、通り過ぎようとする弁慶の長刀の柄を、牛若は蹴り上げ、怒った弁慶と斬り合いとなる。弁慶は牛若の秘術に翻弄され、降参して主従の契りを結ぶ。