京都観世会2月例会
Regular Performances (February)

公演日時:2025/02/23(日・祝・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
  (能) 通小町        林 宗一郎
  (狂言)盆 山        茂山千三郎
  (能) 千 手        青木 道喜
  (能) 国 栖        浦田 保親
        白頭
        天地之声
入場料:
一般前売指定席券※WEB        ¥8,500
一般前売自由席券          ¥6,500
一般当日券  (自由席)      ¥7,000
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

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   ◆例会会員入場券の年間会費◆
特別会員年間会費(会員券10枚)  ¥80,000
普通会員年間会費(会員券10枚)  ¥48,000
6回会員年間会費(会員券6枚)  ¥33,000

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普通会員様と6回会員様はWEBにて事前指定が可能です。(別途料金必要)
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演目解説

通小町 かよいこまち
 八瀬の山里で夏籠りをしている僧のもとへ、毎日木の実を届ける女があった。僧の問いに答え、木の実の数々を語った後、実は私は市原野に住む姥、跡を弔ってほしいと言って消え失せた。これは小野小町の幽霊であろうと確信した僧は、市原野へ赴き、その跡を弔う。小町の幽霊は再び現れ、僧の弔いを謝し、戒を授け給えと望む。と、その後より、戒を授けることはならぬ、はや帰れと言う者がある。小町に心を寄せ、九十九夜までも小町のもとへ通い、終に命絶えた深草の少将の幽霊である。僧の所望に応え、百夜通いを再現してみせる少将。共に恋の妄執深き身ではありながら、少将が飲酒戒を保った縁で、二人は成仏する。
 少将の百夜通いを「まなぶ」ことを軸にしており、大和申楽得意の「鬼」と「ものまね」の要素が色濃く残っている。また女をツレに伴い、恋の妄執を見せる「船橋」「錦木」「女郎花」などへの影響も興味深い。「鬼」から「霊(りょう)」、「修羅」、「遊楽」などへと様々に発展してゆく原点のような曲である。

千 手 せんじゅ
 平重衡は、一の谷の合戦で生け捕られて鎌倉へ護送され、狩野介宗茂に預けられていた。源頼朝はこの平家の御曹子に同情し、手越の宿の長者の娘である白拍子千手の前を遣わし、これを慰めた。ある春の夜、宗茂が重衡に酒を勧めようとするところへ、千手も琵琶・琴を持って訪れる。重衡は先日千手を通して頼朝に願い出た出家の望みが叶わぬことを告げられ、これも父清盛の命令とは言いながら、南都(奈良)の仏寺を焼打ちし、多くの人の命を絶った罪業の報いかと悔い嘆く。折柄、宗茂が雨の夕べの徒然を慰めようと、酒を持って来たので、千手も、たとえ十悪の身なりとも、浄土へ引摂される由の詩を朗詠し、舞を舞って重衡の心を慰める。重衡が興に乗じて琵琶を弾くと、千手も琴を弾き合わせ、夜が更けてゆく。しかし、やがて重衡は勅命によってまた都へ送り帰されることとなり、鎌倉を出立する。千手は涙ながらにそれを見送る。
国 栖 くず  白頭   はくとう  天地之声   てんちのこえ
 清見原天皇一行は大友皇子に攻められ、吉野山中に逃れる。漁師の老夫婦が川舟に乗り帰ってみると、我が家の上に紫雲がたなびいている。家に入ると清見原天皇一行がかくまってくれるよう尉に頼む。尉はかくまうことを約束する。逃げている間、二、三日なにも食べていなかった天皇は、老夫婦より「国栖魚(鮎)」等をもらい、食す。天皇が鮎の残りを尉に与えると、尉はその鮎がいまだ生き生きとしているのを見て、吉野川に放して天皇の行末の吉凶を占う。すると鮎は生き返り再び泳いだので天皇の将来が安泰であるとはげます。そこへ大友皇子の追手がせまるが、尉と姥は天皇を舟底に隠して窮地をのりきる。やがて夜も更け妙なる音楽が聞こえ、老夫婦は姿を消す。                           〈中入〉
 代わって天女が天降り、舞の袖をひるがえして天皇をなぐさめると、蔵王権現も現れ清見原(天武)天皇の行末の久しからんことを予祝するのだった。
 壬申の乱の史実に加え、宮中で行われる「五節の舞」が、天武天皇が吉野にいた時に天女が五たび袖をひるがえしたのが始まりとする伝説をとり合わせて作られた能。前シテの尉を神の化身として見ても、土着の骨太い老人と見ても、面白い。

出演者紹介
CAST

林 宗一郎
Hayashi Soichiro
日本能楽会会員

茂山千三郎
Shigeyama Senzaburo
日本能楽会会員

青木 道喜
Aoki Michiyoshi
日本能楽会会員

浦田 保親
Urata Yasuchika
日本能楽会会員