京都観世会3月例会
Regular Performances (March)

公演日時:2025/03/23(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
  (能) 忠 度        大江 信行
  (狂言)魚説経        茂山七五三
  (能) 誓願寺        河村 晴久
  (能) 藤 戸        古橋 正邦
入場料:
一般前売指定席券※WEB        ¥8,500
一般前売自由席券          ¥6,500
一般当日券  (自由席)      ¥7,000
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。



   ◆例会会員入場券の年間会費◆
特別会員年間会費(会員券10枚)  ¥80,000
普通会員年間会費(会員券10枚)  ¥48,000
6回会員年間会費(会員券6枚)  ¥33,000

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普通会員様と6回会員様はWEBにて事前指定が可能です。(別途料金必要)
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演目解説

忠度 ただのり
 平忠度の和歌の師匠、藤原俊成に仕えていた者が出家し、西国へ向かう途中、須磨の浦で薪を運ぶ尉に出会い、一夜の宿を乞う。尉は忠度の和歌を引き合いに、桜の木蔭ほどの宿はないと言う。尉は僧に回向を頼み、さらに忠度のことなどを語る。やがて尉は忠度の霊であることを暗示して消え失せる。           〈中入〉
 里人に忠度のことを聞いた僧が回向を続けると、在りし日の姿で忠度が現れ、西国への都落ちの途中、俊成のもとへ立ち帰り、後日の勅撰集への和歌を託したこと、岡部六弥太と戦い討ち死にしたこと、死後腰の箙に着けた短冊の名から忠度と知られたことなどを語り、桜の花の蔭に消えてゆく。
 「行き暮れてこの下蔭を宿とせば花や今宵の主ならまし」の忠度の歌をひき、「木蔭を旅の宿とせば花こそ主なりけれ」と終曲を迎える。花が一曲の基調となる名曲で、世阿弥自身この能を「上花」と高く評価していた。

誓願寺 せいがんじ
 熊野詣をしていた一遍上人は、熊野権現から御札を諸国に弘めよとの霊夢を受け、都・誓願寺へ上って御札を弘めていると、一人の女が現われて御札を受け、「六十万人決定往生」とあるのは往生の人数に限りがあるのかと尋ねる。一遍上人は、如来の光明は遍く照らして、済度の人数に限りはないと教える。女は喜んで弥陀の名号をくり返し唱え、誓願寺の額を取り除け、上人の手で南無阿弥陀仏という六字の名号をかけてほしいと頼み、和泉式部と名を明かして消える。          〈中入〉
 上人が六字の名号を書きつけ、額をかけると、やがて異香薫じ、花降り、音楽聞こえ、歌舞の菩薩となった和泉式部が、諸々の菩薩衆とともに姿を見せ、誓願寺の由来を語ったのち舞を舞い、来迎した二十五菩薩も六字の名号の額を礼拝するのであった。

藤戸 ふじと
 佐々木盛綱は備前国藤戸の合戦での先陣の功で賜った備前の児島へ新領主として乗り込み、訴えごとがあれば申し出よと領民に触れを出した。そこへ年たけた女が来て、罪もない我が子の漁師が盛綱によって殺されたことへの恨みを述べる。最初は語気荒く否定した盛綱も隠しきれず、去年三月二十五日、浦の男から藤戸の海を馬で渡れる浅瀬について聞いたこと、二人だけで密かに浅瀬の様子を見届けた後、他人に漏れることを恐れて男を刀で二回刺し、そのまま海へ沈めたことを打ち明けた。男を沈めた場所を教えると、老母は恨みの余り我が子を返せと激しく迫る。見るも哀れな老母の姿に盛綱は弔いを約束し、老母を慰めて家まで送り届けさせる。   〈中入〉
 弔いが始まり、盛綱自身も経を読むと、漁師の亡霊が水上に現れ、我が身の不運を嘆き、殺されたときの苦痛を述べる。藤戸の水底の悪竜となって祟りをなそうともしたが、思いがけない弔いを受けて成仏の身となったのであった。

出演者紹介
CAST

大江 信行
Oe Nobuyuki
日本能楽会会員

茂山七五三
Shigeyama Shime
日本能楽会会員
重要無形文化財保持者
(各個認定/人間国宝)

河村 晴久
Kawamura Haruhisa
日本能楽会会員

古橋 正邦
Furuhashi Masakuni
日本能楽会会員