京都観世会4月例会
Regular Performances (April)

公演日時:2025/04/27(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
  (能) 女郎花        深野 貴彦
  (狂言)察 化        茂山 逸平
  (能) 班 女        田茂井廣道
  (能) 鵺          味方  玄
        白頭
入場料:
一般前売指定席券※WEB        ¥8,500
一般前売自由席券          ¥6,500
一般当日券  (自由席)      ¥7,000
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

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   ◆例会会員入場券の年間会費◆
特別会員年間会費(会員券10枚)  ¥80,000
普通会員年間会費(会員券10枚)  ¥48,000
6回会員年間会費(会員券6枚)  ¥33,000

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普通会員様と6回会員様はWEBにて事前指定が可能です。(別途料金必要)
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演目解説

女郎花 おみなめし
 九州松浦潟の僧が上洛する途中、故郷の宇佐八幡と同一体の石清水八幡宮へ参詣しようとして男山の麓に着き、女郎花が美しく咲き乱れているので一本手折ろうとすると、野辺の花守の老翁が現れてそれを咎めるが、古歌を引いての問答により手折ることを許される。日も暮れ、老翁は僧を月下の男山八幡宮社前に案内する。僧が女郎花の謂れを尋ねると、老翁は更に麓の男塚、女塚にも僧を連れて行き、これは小野頼風夫婦の墓であると教え、実は自分がその頼風であると言って消え失せる。 〈中入〉
 僧が弔いをすると、頼風夫婦の亡霊が現れる。女はもと都の者で、頼風と契りを交わしたが、通い路の絶えた夫の心を疑って放生川に身を投げた。女の亡骸を土中に埋めると、塚から女郎花が咲き出でたが、頼風と顔を合わせようとしなかった。そして、女を哀れんで川に身を投げた頼風の亡骸を埋めたのが男塚である、と亡霊は語り、今は夫婦共に邪淫の悪鬼に責められている苦患の様を見せ、僧の回向を願うのだった。

班 女 はんじょ
 吉田少将は都より東国への途次、野上宿で遊女花子と馴れ親しみ、旅の復路に再び会うことを約束し、しるしに扇を交換して東へ下った。以来花子は他の客の座敷へも出ず、扇を眺めて陶然としている。宿の主はたびたび意見をするが従わないので、終に宿から追い出す。                         〈中入〉
 吉田少将は都へ上る途中、再び野上へ寄り花子を訪ねるが、もはや行方知れずとなっていた。そこで道を急ぎ京に帰り、男女の縁を結ぶことで名高い糺の森、下鴨神社に赴く。一方、花子は班女とあだ名され、狂女となって扇を抱いてさすらい、神々に少将との再会を祈誓している。糺の森で少将の従者と出会い、「班女の扇は」との問いに、恋しい人に打ち捨てられたことを秋の扇に例え、中国の故事をひいて恋の切なさをあらわす。やがて少将は花子の持つ扇に気付き、めでたく再会となる。

ぬえ  白頭   はくとう
 旅の僧が都に上ろうと摂津国芦屋の里に着く。里人に宿を頼んで断られ、夜な夜な光るものが出るという州崎の堂に泊る。すると、不思議な怪しい姿の舟人がやって来て、自分の心の闇を弔ってほしいと頼む。どのように見ても人間とは思えないので、僧が名を問うと、源頼政に退治された鵺の亡魂であると名のり、請われるままに、頼政の矢先にかかった有様を物語り、また、うつほ舟に乗り、恐ろしい鳴声を残して、亡鬼は消えてゆく。                      〈中入〉
 僧が回向をしていると、鵺の霊が真の姿を現し、頼政に退治された子細を、仕方話に再現する。ある場面では頼政になり、剣を賜り、和歌を朗詠し、また、鵺になり、射殺(いころ)され、うつほ舟に押しこめられて、淀川に流された有様を語り、昔のごとく海月とともに消えてゆく。
 非体制の敗者の哀感を鵺の運命にこと借りて描いたもの。シテは妖怪ながら、人の心を持った、世阿弥のいう「形鬼心人」の砕動の鬼で、世阿弥が修羅物の作能遍歴ののち、鬼に却来して書いたと考えられる。

出演者紹介
CAST

深野 貴彦
Fukano Takahiko
日本能楽会会員

茂山 逸平
Shigeyama Ippei
日本能楽会会員

田茂井廣道
Tamoi Hiromichi
日本能楽会会員

味方  玄
Mikata Shizuka
日本能楽会会員