井上定期会設立101年
井上定期能 3月公演

公演日時:2026/03/28(土・SAT) 12:45~
主催:井上定期会
演目:
      (解説)           井上 嘉介
    (能) 三 山      橋本 光史
    (狂言)口真似      茂山千之丞
    (能) 鞍馬天狗     井上裕之真
入場料:
    前売券   ¥3,800
    当日券   ¥4,500
    学生券   ¥2,000
    五枚綴券  ¥17,500

演目解説

三山 みつやま
 大和三山(やまとさんざん)の物語を脚色した能。融通念仏(ゆずうねんぶつ)を説いて旅する大原の良忍上人(りょうにんしょうにん)が、念仏をひろめようと大和へ赴く。
飛鳥の里に着き、里人に三山(みつやま)のことを尋ね、一見しようとすると、ひとりの里女が現われる。女は、畝傍山(うねびやま)・耳成山(みみなしやま)それぞれに住む桜子(さくらご)・桂子(かつらご)が、天の香久山(あまのかぐやま)の膳(かしわで)の公成(きんなり)という男一人を争い、男の心が離れた桂子は、耳成の池に入水したという昔物語を述べる。そしてみずから桂子と名のり、弔いを願いつつ池の底に消え去る。
その夜、上人が桂子を弔うと、桜子の幽霊が現われ、それを追って桂子も現われる。
桂子は桜子を羨(うらや)み、責めさいなみ、桜・桂の枝を打ち合って争うが、やがて恨みも晴れ、ともに念仏の力で成仏する。
 本曲は、観世流では永年廃曲となっていたが、昭和六十年に復曲され、現行曲に加えられた。

鞍馬天狗 くらまてんぐ
 鞍馬山の奥、僧正(そうじょう)が谷(たに)に住む山伏が、鞍馬寺の人々の花見があると聞き訪れる。東谷の僧が稚児達を連れて西谷を訪れ、花を眺め、能力(のうりき)が稚児達の慰みにと小舞を舞って花見の宴を楽しんでいると、そこへ以前の山伏が現われる。興(きょう)をそがれた一行はそのまま帰ってしまう。一人残った沙那王(しゃなおう)(牛若丸)は、ともに花見をしようと山伏に声をかける。ほかの稚児たちは皆、今を時めく平家一門で大切にされ、自分は不遇であるという。山伏は花見の名所を見せるなどして牛若を慰め、その後、自分は鞍馬山の大天狗であると正体を明かし、兵法(へいほう)を伝授するので、驕(おご)る平家を滅ぼすよう勧め、再会を約束して立ち去る。やがて長刀を持った沙那王が待つところへ、大天狗が威厳に満ちた堂々たる姿を現わす。大天狗は、師匠に誠心誠意仕え、兵法の奥義を伝授されたという漢の張良(ちょうりょう)の故事を語り聞かせる。そして兵法の秘伝を残りなく伝え、平家を討つべく沙那王を励まし別れを告げる。名残を惜しむ沙那王に、将来の平家との戦いで必ず力になろうと約束し、大天狗は夕闇の鞍馬山を翔けって飛び去る。
 なお本曲の稚児の役を「花見」と呼び、能役者の子どもは、この役で初舞台を踏むことが多い。