京都観世会8月例会
Regular Performances (August)

公演日時:2026/08/23(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
  (能) 景 清        観世銕之丞
        松門之会釈
  (狂言)水掛聟        野村又三郎
  (能) 富士太鼓       河村 晴道
        現之楽
  (能) 春日龍神       杉浦 豊彦
        龍女之舞
入場料:
一般前売指定席券※WEB        ¥9,000
一般前売自由席券          ¥7,000
一般当日券  (自由席)      ¥7,500
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

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普通会員様と6回会員様はWEBにて事前指定が可能です。(別途料金必要)
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演目解説

景 清 かげきよ  松門之会釈   しょうもんのあしらい
 保元の春を誇ったさしもの平家一門も、時利あらず、義経勢は強し、西海を流離した末、ついに長門壇の浦で壊滅し、一門のおもだった者は波に沈み、あるいは源氏に捕われの身となった。しかるに、生き上手の悪七兵衛景清はいずこともなく姿を消した、と平家諸本は語る。能 《景清》 は、その後日譚として書かれている。
 景清は両眼を失った。源家一統の世は見たくもなしと、みずから両眼を抉り取ったのだとも伝える。彼には熱田の遊女の腹にもうけた一女があった。いまの鎌倉亀ヶ江谷の遊女人丸である。彼女は父恋しさに、日向のかたほとりまで、風のたよりを頼みに下って来た。両眼を失った景清は、せんかたなさに髪をおろし、日向の勾当と呼ばれて、村人の憐れみで口に糊している。勾当とは検校・別当に次ぐ盲人の位の一、座頭の上位である。 能 《景清》 は、シテが巷に琵琶を抱いて平家を語る琵琶法師の姿で、「さすがにわれも平家」と、錣引きを語るのが、一つの妙味といえる。錣引きは景清が太刀を折って退こうとする三保谷四郎の兜の錣をつかんで引き戻そうとし、三保谷は引かれまいと身を引き、揉みつ揉まれつの末、錣が切れたという話で、話の主人公と、語り手と、さらに琵琶法師の三者がオーヴァーラップするのだ。
 「松門之会釈」は「松門之応答」とも、「松門之出」ともいい、「松門ひとり…」の謡は平家節を語るという伝えがある。

富士太鼓 ふじだいこ
 萩原の院(花園天皇)が内裏で七日間の管絃の催しをされるので、天王寺の浅間と
いう太鼓の名手が召された。ところが住吉の富士という太鼓の名手が自分でその役を望んで上京する。富士の差し出た行為を憎んだ浅間は、宿所に押し入り富士を殺害してしまう。富士の妻は帰らない夫の身を案じて子供を連れて都へ上り、院の臣下に夫が非業の死をとげたと知らされ、 我が身や子供のことを考え悲嘆にくれる。 しかし
妻は気をとりなおし臣下から渡された形見の舞衣装を着て鳥兜をつけ、夫に別れたのも、夫が討たれたのも、この太鼓のせい、太鼓こそ夫の仇であると母子ともに太鼓を打って怨念をはらそうとする。いつしか亡き富士の霊が妻にとりつき狂乱の態で太鼓を打ちならし舞楽を舞う。仇の太鼓を討ち果たし、激しい狂乱も鎮まった妻は心の迷いも晴れて、衣装を脱ぎ捨てると、もとの女に戻って母子ともども故郷へと帰っていくのであった。
 形見を身に着けることによって形見の主が憑き添うという手法は、『松風』 『井筒』 『杜若』 『卒都婆小町』 など多くの曲に取り入れられているが、『富士太鼓』では夫への恋慕の深さに、娘への母性愛も加わり、憑依の舞の面白さと狂女物らしい人間ドラマが両立している。
 「現之楽」の小書では、「楽」の途中に橋懸へ行き太鼓を見込み、また舞台に戻って太鼓を打つなど、太鼓がより生かされる演出にもなっている。

春日龍神 かすがりゅうじん  龍女之舞  りゅうにょのまい
 山城国栂尾の明恵上人が入唐渡天を志し、その暇乞いに春日明神へ参詣するため、奈良春日の里へとおもむく。そこへ宮守の翁が現れ上人が天竺・唐土へ渡ろうと考えていることを聞き、それは神慮に背くことであると引き止める。というのも、春日の明神は、年始をはじめ四季折々の上人の参詣を心待ちにしておられ、上人を太郎と名づけ、笠置の解脱上人を次郎と呼び、両の眼両の手のように思し召し、守護遊ばすと伺っているので、上人が日本を去り天竺・唐土へお渡りになっては明神の思し召しに背くことになるというのである。上人が、入唐渡天も仏跡を尋ねるためであるから神慮に背くはずはないと答えると、釋尊入滅後の今日では、この春日山こそ仏が説法された霊鷲山であると諭す。上人は即ちこれを御神託と思い、渡唐を思い止まり、名を尋ねると、 翁は渡唐を止まるならば、 三笠山に五天竺の様を写し、 釋迦の誕生から
入滅の様まですべてお見せしようという神の告を伝えに来たもので、時風秀行と名のり、かき消すように消えてしまう。〈中入〉
 やがて春日野の野山は金色の世界となり、八大龍王が百千の眷族を引き連れて出現し仏の会座に参会する様を見せる。上人が入唐渡天を止まる由約束をすると、龍神は猿沢の池の水を蹴立てて消え失せる。
 時風秀行とは春日明神が鹿島から春日山へ移り給うときに供奉した二人の者。能本ではこれを一人として取扱っている。
 「龍女之舞」の小書が付くと、常にはでない龍女が出て舞を舞う。

出演者紹介
CAST

観世銕之丞
Kanze Tetsunojo
日本能楽会会員

野村又三郎
Nomura Matasaburo
日本能楽会会員

河村 晴道
Kawamura Harumichi
日本能楽会会員

杉浦 豊彦
Sugiura Toyohiko
日本能楽会会員